tsuki.s

2025/11/15 01:11

まだまだ手芸を愉しむ、心豊かな時代がありました。

私の母もその一人で、次から次へと編み物三昧の日々をおくっていました。


そのおかげで家族のニットはすべて、母の手作り。お出かけのバックには、どこでもできる鈎針編みのセット、仕事の合間や団らんの時、側に置いたカゴの中には、いっぱいの毛糸玉、あの色この色、おしゃべりしながらの棒針編み。そして、母の楽しい休日の自由な時間のお相手は、心強い早編みマシーン、家庭用編み機。侵入禁止となったわが家のマシーンエリアには、いつも誰かのための新作が編み下がっていました。次は誰にプレセントかな?


そして何度も通った手芸ショップの中、糸を見て選ぶ母のワクワク、そんなに買っていいの..

でも嬉しそうに 「遠足の時のベストは何色がいい?」 と聞かれ、何でもよかった私は、ちょっと気を使って、ファーファーしている水色のモヘアの糸を指さしていました。


そんな私たちの成長に合わせて編んだニットは、何度も糸に戻してリサイクルされ、小さくなった兄のベストが私のミトンに、そのミトンが猫のクッションへと変わっていったのです。

それも、作る喜び、楽しかったんでしょうね、きっと。


見事に彼女の作品を着せられていた姉と私。そのうち、姉は脱退しましたが、いつのまにかそのD N Aは私の中に継承され、ニットウェアのデザイナーとして歩き始めます。

つねに糸と寄り添い、学び、形作る、多様な良い出会いを経て,わかった事。

私はやはり、このテイストが好き、母のプレシャスタイムである、ふりだしに戻ってきたのです。

suki.sのニットのこだわり、ほんの僅かとなった家庭編み機を、今もなお、使い続けているという事です。


糸の個性をこわさず良さをだす編地作り、さらにその糸の特徴を生かしたスタイルを考える。

手加減しながら1段1段、糸端から始まり、糸先で終わる。家庭編み機だからこそできるテクニックを、可能な限り取り入れて、手芸っぽくならず、どこか懐かしい匂いのする、優しいニット作りをしています。


tsuki.s 25AWでは、さらに原点にもどり、ベーシックなアイテムをご紹介しています。


今シーズンのポイントは定番である強撚ウェーブ糸を、あえて緩めの天竺編みに仕上げています。季節の移り変わりが定まらない今日この頃、屋内外の温度差を考慮して、秋や春の1枚着はもちろん、冬のアウターの中にも、ちょうどいい厚みである、シーズンレスなニットを提案しています。長い期間、いろんな着こなしができる便利なニット、商品一覧でごらんください。

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