2022/11/04 16:59
先日、美術館で「THE BLUE] という企画展を観覧しました。「青」が使われている絵画や陶磁器、ガラス工芸を小さな展示室に集めて展示するという企画展だったのですが、「青」といっても透明感がある青、どんよりと重い青、主役の青、脇役の青、空気をまとう青など幅広い「青」を感じる面白い企画展でした。
私たちの仕事でも色を考えることがあります。コレクションのメイン素材をオリジナルの色に染めるときです。
色を決めるとき、いま着たい色、いま着やすい色、いま映える色をおおまかに考えて具体的に色味を決めていくのですが、それは大理石の色だったり、宝石のように透明感のある色、アンティークな真鍮の色、くすんだロッカーの色などイメージソースは様々です。「インド料理店のソファーの色」から決めたときもあります。
それでも服として身にまとうものなので、一番大切にしているのは、「肌映りがいいこと」です。そしてイメージの色に染めてもらうために、一番イメージに近い色の布地や糸、あるいは紙切れを探してなんとか生地屋さんに伝わるように見せて、求める色に染めてもらうのです。素材によって色の染まり方が違ったり、素材に表情があるものは陰影があるので見え方が変わったり、その時その時で難しいなと思うことも度々あります。でもキレイな色に出来上がってくるとそれだけで色々なデザインが思い浮かぶので、大切な作業だなと感じています。
皆さんは身にまとってみたい色はありますか?